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 ●多重露出を再現してみる(写真合成)
  花火の写真を仕上げよう (合成処理)     2010年10月記

 登場人物の紹介



真穂さん

何の因果か、アシスタントをしている
「〜ですわ」口調の
品のある、綺麗なご婦人
 

室長

広く、浅い知識で答える男、
簡単、テキトー、それなりで
写真を撮している

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このページは、
オレ流・打ち上げ花火の撮し方」 からの、
続きも兼ねています。
 
 
 先ずは、この画像を見てもらおうかな。
 
 
 

 
  
 真穂さんが、ご所望なのはこの様な画像ではないだろうか。

 はい、そうですわ。
 綺麗な花火の写真ではありませんか。
 ふっふっふっ・・・。
 これは、花火大会で 270枚近く、バシャバシャ撮影した写真を、数枚合成した画像なのだよ。

 ええ〜っ、それじゃあ、インチキ写真ですか。 室長の、『簡単、適当、それなり』 精神も、此所まで来ると感服しますわね。
 何か理由とか、いい訳とかが有りますのでしょ。

 花火撮影のコーナーでも書いてあると思うが、花火の多重露出による撮影は、かなりの経験を必要とする。 そして、花火の種類や、打ち上げられる高さと大きさなど、様々な知識も必要なんだ。 素人が、簡単にできる物じゃあない。
 だが、素人でも、やはり綺麗な花火の写真は欲しい。 となると、デジタルカメラの利点を、利用しようと言うことになるわけだ。
 玄人が少数精鋭で来るなら、素人は数で勝負をしようと言うわけだ。

 つまり、多重露出の原理を、PCのソフトを利用して再現しようと言うわけですのね。 写真の枚数を多く撮り、デジタルを利用する・・・。 デジカメだから出来る方法ですわね。
 
 私としては、『素人には、素人なりのやり方があるのだよ。』 と、言いたいわけだ。

 まあ、大体の理由というか、いい訳ですが、理解いたしましたわ。
 では、どの様なソフトを使用して、多重露出を再現しますの。

 真穂さんが、理解を示してくれたことの感謝しよう。
 使用する、ソフトは『Adobe Photoshop 5.0 Limited Edition』 を、使用しよう。 又、フリーソフトである 『Gimp』 もお勧めだ。
 とりあえず、手順はこうだ。
 
1)構図を決める。
2)写真の選択。
3)合成処理、一部レタッチ処理。
4)出来上がりの確認をして修了。
 
 この様な手順になる。

 なんか、楽しくなりますわね。
 他には、何か御座いませんかしら。

 そうだな、花火と言うだけ合って、撮されている写真は、一枚一枚を、花の写真として扱う事になる。
 私は、イラストの経験はあるが、出来れば生け花が得意な方か、経験者が近くにいれば、チョットしたアドバイスがもらえそうかな。
 まあ、前振りが長くなってきたので、処理作業に入ろうか。

 そうですはね。
 玄人の皆さんに、挑戦ですわ。

 
 
構図を決めよう
 先ずは、一通り撮した写真を見たら、どの様な構図で仕上げるかを考える事だ。
 構図と言いましても・・・、 あまりよく解りませんわ。

 それなら、真穂さんがイメージしていた、打ち上げ花火の写真は、どの様な物だろうか。

 そうですわね。
 ヒュ〜〜、バン、バン、ドカン、ドッカ〜〜ン、パラパラ、ドカン、ドッカ〜〜ン、の様な感じかしら。 花火大会の華とも言える、スターマインかしら。

 ・・・だいたい、解りました・・・。
 先ず、今回撮影した花火は、どの様に打ち上げられていたか、思い出してみようか。

 たしか・・・、一カ所から上空に打ち上げられていましたわ。 大きさも色々、色もオレンジ、赤、青、緑と、華やかでしたわよね。

 そうだったな。
 ここで、一つのポイントが、『一カ所から、打ち上げられていた』 にある。 つまり、構図を決める上での、基準になるポイントが出来たわけだ。
 そして、この基準になるポイントを含めて、見た目のポイントを三カ所作るわけだ。

 見た目のポイントを、三カ所・・・、ですか・・・。

 そうだな・・・、最初に見てもらった写真で説明すると、下のようになる。

 
 


 
 

 あら、三角形に成りますわね。

 この写真では、花火全体を三角形になるように配置していった、この様な構図を 「三角構図」 と言う。 
 他にも、日の丸構図、対角線構図など、色々ある。
  *詳しくは、「写真の構図」 で、検索してみましょう。
 まあ、打ち上げ場所が一カ所だから、必然的にこうなるのだが、この三角形を基本に、撮影した写真を合わせて行こうと思う。

 
 
合成処理して綺麗な打ち上げ花火を作る
 
 ここからが本題、インチキ ”スターマイン” の作り方ですのね。

 あのなぁ、真穂さん。 せめて、「多重露出の再現」 とか、言えんのかね。

 言えません。(キッパリ)
 そっくりさんでも、多重露出と写真合成は違いますわ。 それに、少しだけインチキをするのでしょ。

 はい、その通りです・・・。

 前振りは良いですから、サッサと始めて下さいませんか。
 それでは、始めるとしよう。
 撮影したの中から、決めた構図に合う写真をいくつか選ぼう。
 今回は、この四枚を選んでみた。

 
 
 
   
 
 
 
   
 
 
 
 「Photoshop・LE」 を起動させ、選択した写真を読み込もう。 そうしたら、PCの負担を軽くするためと、処理をしやすくするために、それぞれの写真サイズを小さくする。 メモリー容量がタップリある方は、このままでもかまわない。
 取り込んだ写真を、新規に作成したフォルダーに、それぞれ名前を付けて保存しよう。
 
 さあ、ここからが本作業だ。
 写真を重ねて標示する際に、各レイヤーの表示方法を、『スクリーン』 で標示する。 スクリーン表示については、後で説明しよう。 この表示方式に、秘密があるのだ。
  
 
 
 
 行程・1
 

 
 1枚目の写真を標示し、複製を作成します。 複製された物に、「hanabi_01」 等の名前を付けましょう。
複製前の画像 「背景」 は、黒色で塗りつぶします。
「hanabi_01」 の表示方法を、通常からスクリーンに切り替えます。
ここまでの作業で、一度 ”PSD形式(フォトショップ形式)” で保存しましょう。
 

 
 
 
 
 
行程・2
 

 
 次に、「hanabi_01」 に重ねる写真を開いて、写真をコピーします。
操作手順は、次のように行います。
ツールバーから、「選択範囲」→「全てを選択」。
写真全体が選択されたら、「編集」→「コピー」。
行程・1の画面に戻り、レイヤー標示パレットの 「hanabi_01」 をクリック。
再び、ツールバーから、「編集」→「貼り付け」。
「hanabi_01」 の上に写真が重なったら、名前を付け、表示方法をスクリーンに切り替えます。
すると、「hanabi_01」 と 「hanabi_02」 が、合成標示されます。

 
 
 
 
 
 
行程・3
 

 
 行程・2の操作を繰り返して、4枚の写真を合成させます。
 
花火の色や形を工夫すれば、多彩な写真合成が可能です。

 
 
 
 あら、綺麗な花火の合成写真が、出来ましたわ。
 でも・・・何か変ですわね。 バランスが悪いというか、三角構図に成っていないような・・・。 それに、背景が二重に成ってますし。

 『hanabi_04』の写真は、後半で撮した写真を利用したからだ。たしか・・・シャッタースピードを、2秒で撮した物だ。
 構図的にも、真穂さんの言うとおりだ。
 そこで、『hanabi_04』 の写真を、右上の方にずらすことにしよう。
 『hanabi_04』 のレイヤーを選択したら、移動ツールに切り替えて、写真を移動させる。

 
 
 
三角構図にする
 

 
 ツールパレットから、移動ツールを選択します。
『hanabi_04』 を赤い丸印の所に移動します。
打ち上げ花火全体が、三角構図に成りました。

 
 
 
 花火全体は三角構図で良くなりましても、背景も一緒に移動しましたわよ。 おかしな写真ですわ。

 そうだな。
 ここからが、チョットしたインチキというか、画像加工だ。 だが、花火自体に、手を加えない。 周囲の邪魔な光の写り込みを、消していくだけだ。
 作業は簡単、次通りにすればいい。

 
 
 
 
余計な写り込みを消す
 

 
 『hanabi_04』 だけを標示させ、
赤いX印のあたりを、スポイトツールで色を抜き取ります。
次に、抜き取った色で、花火に掛からないよう、グラデーションを掛けます。
再び、全ての画像を表示させると、
見事、打ち上げ花火の画像が、完成しました。

 
 
 
 これなら、なかなか良い画像に成ったろう。 どうかな、真穂さん。

 お見事!。
 インチキ・スターマインの、完成ですわ。

まあ、インチキと言われれば、「そうです。」 と答えるしかないが。 
 最後の画像処理を除けば、一連の工程は、多重露出撮影の再現なのだぞ。

えっ、そうなんですか。 でも、一枚の写真ではありませんが。 何か、解りやすく説明してください。

 たとえば、30秒間の打ち上げ花火を撮すとしよう。
 多重露出操作では、複数シーンを遮光板を使用して、イメージセンサーに撮し込むわけだ。 つまり、撮したい画像を重ねて、一枚の写真にするわけだ。

 
 行程は、確かそうですわね。

 私の撮影した物は、30秒間の打ち上げ花火を、シャッタースピード5秒間で、連続して約5枚撮影。 その後、連続撮影された写真を、PCで重ね合わせて、一枚の写真にする。 この、重ね合わせる時の表示方法に秘密があり、多重露出の再現となるわけだ。

 たしか、スクリーン表示で重ねたのでしたわ。
 この、表示方式 『スクリーン』 とは、何ですの。

 
 これは、画像加工ソフトやペイントソフトに備わっている、表示形式の代表的な物だ。
 スクリーン表示では、光の三原色 『赤、青、緑』 で画像を表示していく。 光の三原色で、黒は色では無く、見えない物になり、三原色がすべて重なると白になる。 これが、スクリーン表示なのだ。
 ちなみに、『乗算』 は、色の三原色 『赤(ピンク)、青(水色)、黄色』での標示で、白は標示されない色で、すべてが重なると黒になる。

 
 

 
テレビやモニター等は、この表示方法。
光を発光表示させています。
黒は、光を反射せず、目に見えません。
 
 
 

 
 カラープリンターや印刷物の標示は、この標示。
プリンターのインクは、この色のインクです。
ここで言う白は、印刷される物の色です。
 
 
  
 
 
 つまり、こういう事かしら。
 写真を画像加工ソフトに取り込んで、「光の三原色で、標示して重ねることは、多重露出での撮影と同じか、それに近い。」
 と言いたいのですね。

 そう言うことだな。
 「デジタル時代の、デジタル式、多重露出の再現写真」 と言う事、かもしれんな。

 でも、本来の多重露出写真では有りませんわ。 多重露出は、現場で行ってこそ、意味があると思いますわ。 所詮、インチキ写真のいい訳でしか有りませんわね。

 だ・か・ら、多重露出の再現だって。

 ですが、室長が紹介した方法でしたら、色んな花火の写真が作れますわね。
 私としては、この方が楽しいし、綺麗に仕上がりますし、好きですわ。

 そ、そうか、楽しいか・・・。
 そう言ってくれると、私も嬉しいぞ。 今度は、キチンと多重露出で撮してみようかな。 はははっ・・・。

 今回のレポートが、皆さんの役に立ったでしょうか。
 難しい多重露出撮影を、再現することは可能です。 ですが、あくまでも再現であって、真の多重露出撮影では有りません。
 このことを踏まえた上で、楽しく、綺麗な、打ち上げ花火の画像を作りましょう。
 では、次回もよろしくお願いいたします。

 
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