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 ●撮り鉄、流し撮りを再現する編
  
                           2011年4月記

 登場人物の紹介



真穂さん

何の因果か、アシスタントをしている
「〜ですわ」口調の
品のある、綺麗なご婦人
 

室長

広く、浅い知識で答える男、
簡単、テキトー、それなりで
写真を撮している

├──────────────────────────────────┤
 今回の課題は、
「撮り鉄、流し撮りを再現する編」
と言うことは、簡単に言うと、
「インチキ写真を、作ろう」
と言うことですわよね。
 
「インチキ写真」 と言われれば、
「ハイ、そうです。」
と、答えるしかないが・・・。
 
 真穂さん、撮り鉄(鉄道写真を撮すこと)で、初心者が撮すとしたら、どうするのが簡単だろうか、答えられるかな。

 そうですわね・・・。
 最近のAFは、精度も良くなっていますから・・・、AFを使って、シャッタースピードを速くすれば、どうにかなりますわ。
 まあ、その通りなのだが、問題は、設定するシャッタースピードを、どの位にするかだ。
 手ブレや、被写体の速度に合わせて設定すると、1/500秒以上のシャッタースピードを、確保すれば大丈夫だろう。
 そこで、次の写真を、見てもらいたい。

 
 
 
 
 何ですの、何かがあって、
「ただいま、進行方向の信号が赤のため、臨時停車をしております。」
 なんて、アナウンスが聞こえそうですわ。

 まあ、そうだろうな。
 どう見ても、駅に臨時停車しているようにしか見えないな。
 ところが、この写真の露出設定は、「1/800 秒 、 F/4.5、露出補正: +0.3 EV、感度: ISO 320」 なのだよ。列車の速度は、およそ80km/h 位かな。

 えぇっ、・・・一応、走っているんですね。どう見ても、臨時停車ですわ。

 撮り鉄を始めた頃は、この様な写真が多くなりがちだ。
 練習を重ねると、次第にシャッタースピードを遅くして、背景が流れる写真が、撮せるようになる。

 で、室長はこの写真に、エフェクトを与えて、撮影技法の「流し撮り」を、再現をしようと言う事かしら。

 まぁ、そう言うことだな。
 とりあえず、エフェクト処理後の写真が、これだ。

 
 
 
 
 
 あら、なんと言うことでしょう。
 スピード感のある、「流し撮り風」に、仕上がっているではありませんか。
 どの様に、加工処理をすれば、出来上がりますの。
 
 今回、題材にした写真は、斜め前方からだから、「ズーム流し撮り風」 と言ったところだろう。
  まぁ、近いうちに、「撮り鉄・流し撮り(改正版)」で企画する予定だから、写真の撮し方に関しては、それを見てもらうことにしよう。

 写真に効果(エフェクト)を与えるのは、そんなに難しい方法では無い。
 レイヤーを扱える、画像加工ソフトが有れば、簡単にできるから、やってみると良いだろう。
 
写真に効果を与える
 
 今回は、真穂さんに、画像処理をしてもらおうかな。
 
 私なんかでも出来るのですか?。
 難しそうですわね・・・。
 
 室長が、こういう処理をするときは、いつもレイヤーマスクを使用しますでしょう。あれって、使い勝手が良いソフトと、悪いソフトがありますわ。
 

 確かに、そうだな。
 使用するソフトは、いつものように 「Photoshop 5.0 Limited Edition」 だが、これは使いやすい部類の、画像加工ソフト(ペイントソフト)に入るだろう。
 安くて良いソフトや、フリーソフトはあるが、何かイマイチ使い勝手が悪い。
 そこで今回は、レイヤーマスクを使用しない方法で処理するから、レイヤーを作成できる画像加工ソフトなら、OKだ。
 そして、使用するフィルターも2種類だけだから、ほとんどの画像加工ソフトに備わっていると思うぞ。
 まあ、たまには自分で処理してみたまへ、結構面白いぞ。
 そうですか・・・、しかたありませんわね。
 
 先ずは、どうすればいいのかしら。
 
 
 
その1
 下準備をする

 
 まず、加工する写真を、「Photoshop」 で開き、作業しやすい大きさにしよう。
 メモリー容量が十分ならそのままでかまわないが、PCの負担を軽くすれば、処理速度も速くなるので、今回は、横サイズを2000ピクセルにしよう。
 
 画像サイズを変更するのですね、・・・。このくらいは、簡単に私でも出来ますわ。
 チョチョイの・・・チョイ・・・終わりましたわよ。
 
 
 
 

  
画像サイズを、処理しやすいサイズにします。
最新のPCで、メモリー容量が十分であれば、そのままのサイズでもかまいません。
 

  
 
 
 次に、新規レイヤーを作り「乗算標示」にして、画像処理をする範囲を取り込みやすいように、ペイントツールで、色を塗っていこう。
 
 自動選択ツールで、画像の取り込み範囲を指定しやすくするためですね。
 
 そう言うことだ。
 ここで注意するのが、写真で撮したときに、ボケて流れるであろう部分と、そうで無い部分をキチンと分けないといけない。
 背景はもちろんだが、窓の写り込みも背景同様に流れるから、忘れずに塗りつぶそう。
 車両1台分くらいが、適当だな。
 
 チョットした裏技だが、選択ツールにある、多角形ツールで細かく範囲を設定すれば、曲線とほとんど変わらない。この方法であれば、マウスだけでも作業は出来るぞ。
 
 
 

 
流れを表現しない部分を残すので、
1車両程度を抜くように、周りを塗りつぶします。
 

 
窓越しの背景や、ワイパーなど、細かいところにも注意しましょう。
レイヤーに、名前を付けておくと良いです。
「マスク1」と名前を付けました。

 
  
 
 
 終わりましたわよ。レイヤーの名前を、「マスク1」に、しておきましたわ。
 次は、どうしますの?。
 
 作成したレイヤーを複製し、先頭車両前面の右側半分、画面だと左側半分だが、そこまで塗りつぶそう。
 
 「マスク1」は、車両をくり向くため用で、「マスク2」は、背景用に使う。
 
 

  
 「マスク1」 を複製し、「マスク2」と名前を付け、
車両前面の、向かって右を残して、塗りつぶします。
 
 
 
 
 
その2 
 画像をコピーして、処理するレイヤーを作る

 
 とりあえず、ここまでの処理が終われば、後は簡単な操作だ。

 処理するための画像を、元画像から取り出していこうか。
 レイヤー標示パレットから、背景用のレイヤー(マスク2)を選択し、ツールパレットから「自動選択ツール」を選んで、選ぶ場所をクリックする。
 
 
 赤い部分をクリックして選択範囲が出来ましたけど、すべての場所ではありませんわ・・・。
 内側の赤い部分が、選べませんわ・・・。
 
 そう言うときは、ツールバーにある、「選択範囲」から、「近似色の選択」を選ぼう。この時に、選択オプションの数値を、”10” 程度にすれば、細かい範囲も選べる。
 
 出来ましたわ。
 元画像から、選択範囲を抜き出すのですから、背景レイヤーから選択範囲をコピーするのですね。
 
 そう言うことだ。
 ツールバーの「編集」から、「コピー」をして、そのまま「貼り付け」をすると、新規にコピーした画像のレイヤーが出来る。
 ここまでの操作で、背景用を2枚、先頭車画像を1枚作ろう。
 

 
自動選択ツールで、「マスク1、マスク2」のレイヤーを使い、
切り抜く場所を選んでください、
そして元画像から、「コピー」して「貼り付け」をします。
背景用の画像レイヤーを、2枚
先頭車の画像レイヤーを、1枚
足していきましょう。
 
 
  
 
 
その3
 背景用の画像を処理する

 
 背景画像を処理する前に、チョットだけ、「ズーム流し」の撮し方を覚えておこう。これが、理解できないと、作業の内容が理解できない。
 えぇ、そうですわね。
 では何故、背景用のレイヤーが2枚必要なのですか。
 
 それはだな、ズーム流しでの撮影は、2つの動作を使って撮影しているからだ。
 一つは、進行方向にカメラを振る動作、もう一つは、ズームレンズを望遠域から広角域へ、焦点距離を移動させる動作の、2つを組み合わせて撮影されるからなのだよ。
 この2つの動作を、2枚のレイヤーで表現していくわけだ。
 

 先頭車両のレイヤーは、何のためですの。
 
 ズーム流しで撮影したときには、ピントを先頭車両の前面に合わせるから、ピントがあった部分を表現する為に使用する。
 まあ最大のポイントは、ここの処理次第かもしれん。
 
 何か、解ったような・・・解らないような・・・。
 
 とりあえず、レイヤー名を、「ズーム」、「移動」、「先頭車」 にして、保存をしますわ。
 
 先ずは、「ズーム」のレイヤーを選択し、写真で撮すときの、望遠域から広角域への流れを作りだそうか。
 ここからは、チョットしたコツがある。まず、画像全体を選択して、ほんの僅かで良いから、列車が来た方へ画像を小さくしよう。
 まぁ、チョットした”コツ” ってやつだ。
 
 
 
 
 
   
 
画像全体を、僅か小さくします。
この操作をすると、後で先頭車を合わせた時に
違和感をなくすことが出来ます。
 
 
 
 インチキするにも、チョットしたコツと言うのが有りますのね。
 次は、どうするのかしら・・・。
 
 何か、引っかかるな・・・。
 この操作が終わったら、ツールバーにある、「フィルター」から、「ぼかし→ぼかし(放射状)」を選ぼう。
 
 
 
 
 

 
 ツールバーから、「フィルター」を選び、
ぼかし→ぼかし(放射状)を選択します。
適用量は、流れる程度を任意で決めます。
種類を、ズーム
品質は、標準で良いでしょう。
 

   
今回は、流れる量を”16”にしました。
「OK」をクリックして、
フィルターを適用させます。
 
 
 
 
 ”ブワッ!” と言う感じの、ぼかしになりましたわ。
 
 画像の大きさによって、処理するパラメーター(度合い)が変わるので、画像を確認して調整しよう。
 
 次に、「移動」のレイヤーを選択し、移動のぼかしを掛ける
 
 レイヤーを選択したら、画像を列車が来た方に僅かに小さくする。この時は、横に僅か小さくするだけで良いぞ。
 そして、フィルター内にある、「ぼかし→ぼかし(移動)」を選択し、処理をしよう。
 
 
 
 

 
画像全体を、少し列車の来た方に小さくし、
フィルター内にある、「ぼかし→ぼかし(移動)」を使い、
横方向に、適用させます。
今回は、”60ピクセル”の距離でぼかしました。
 
 

  
 
 
 
 室長、背景画像2枚の処理が終わりましたわよ。
 次は、どうしますのかしら。
 
 それでは、「先頭車、移動、ズーム」のレイヤーを通常標示で重ねて見よう。
 
 あれ・・・なんか物足りないというか・・・、せっかく背景を2枚も処理しましたのに、効果が出ていませんわ。
 
 そう思うだろう。
 「ズーム」レイヤーを選択して、レイヤーパレットにある「不透明度」のスライダーで調整してみようか。 
 
 
 


 
レイヤーパレットにある、「不透明度」を調整し、
下にある画像を、浮き立たせていきます。
 
 
 
 あっ、「移動」のレイヤーが出てきましたわ。
 
 不透明度を適度な状態のして、背景の処理は、ひとまず終わりだ。
 次は、先頭車両を処理して、仕上げになる。
 
 
 
 
その4
 先頭車両を処理して、仕上げる

 
 さあ、最後の仕上げだ。
 
 「先頭車」レイヤーを選択し、車両の後部を、「消しゴム」で消していこう。
 この時に使用する消しゴムは、スプレーのブラシを選択し、適用量を”20%”くらいですると良いだろうな。
 
 
 先頭車を、どの程度処理すればいいのかしら。
 
 そんな物は、感だ、カ・ン。
 先頭車の前面を残すように、適当な感じで、それらしくなるように消していけば良い。
 
 ほんと、室長は適当なんですね・・・。
 
 (・・・消し、・・・消し)

 
 

  
 
 
 この程度かしら・・・、室長。
 
 まあ、その程度を残せば良い感じだ。
 
 それでは、すべての画像を重ねて標示してみようか。
 
 
 
 
 

   
 
 
 
 
 ・・・良い感じなんですが、何か変な場所が有るような・・・。
 
 それは、運転席の窓ガラスではないかな。
 妙に流れすぎている感じだ。
 
 では、この窓だけを、上手く調整しよう。
 
 
 

 
「マスク1」を使って、自動選択ツールで車体をくり抜き、
コピー、貼り付けをして、新規にレイヤーを作ります。
更に、運転席窓だけを残して、他を削除します。
 

 
再び、全てのレイヤーを標示させて、
運転席窓のレイヤーを、「不透明度」を調整します。
 
 

 
 
 
 
 運転席のガラスは、不透明度36%あたりが、丁度良い感じですわ。
 後は、自分の好みに合わせて、それぞれのレイヤーを調整すれば良いのかしら。
 
 そう言うことだ。
 後は、ツールバーの、「ファイル→複製の保存」 を選び、任意の名前を付け、JPEGファイルで出力をしよう。
 
 そして、出力した画像を開いて、トリミングをすれば完成だ。
 
 
 

 
 
 
 
見事に、スピード感のある写真が完成しました。
 
 
 
 
 見事、完成しましたわ。
 なんか、インチキするのも、面白いですはね。
 
 まあ、確かにここまで、くり抜いたり、貼り付けたりすれば、インチキ写真と言われても仕方がないが、一つの写真に効果(エフェクト)を与えるだけで、見違えるようになる事を、解っていただきたいだけだ。
 
 ところで、チャンと撮した写真も有るんでしょうね。
 
 真穂さん、私を舐めてはいかんぞ。
 これが、実際のズーム流し撮りで、撮影した写真だ。
 
 
 
 
 
 室長も、やれば出来るんですね。
 感心しましたわ。
 
 少しピントが甘い感じだが、久しぶりにしたズーム流し撮りで、ここまで写れば文句は有るまい。
 私も、もう少し精進せねばいかんと思うがな。
 
 そうですか。
 他に、写真に効果を与えた物は、有りませんこと。
 
 まあ、「このくらい変わります」程度なら有るが。
 
 
 

 
エフェクトを与える前の写真
 ごく普通の、撮り鉄写真
 
 

 
エフェクト処理後の写真
先頭車両が強調され、迫力が出てくる。
 
 
 
 
 効果を与えることで、違った感じになりますのね。
 
 まあ、今回紹介したのは、全くの別物になったようですが。
 
 
 そっ、・・・そう言うことに・・・なるのかな・・・。
 
 エフェクト処理には、色々な意見がある。
 私は、撮した写真をより良く楽しむのであれば、いっこうにかまわないと思うぞ。ただし、撮影技術を用いて撮された写真が、どの様な物なのかを理解しておくことが大事になる。
 
 つまり、
「画像処理する前に、自分の撮影技術を高めろ!」
と、言いたいわけですか。
 
 なんか、室長自身に言っているように、聞こえますが。
 
 ・・・・・・。
 
 ・・・それでは、次回と言うことで・・・。
 
 うふふ、
 それでは皆さん、次回もよろしくお願いします。